旅の途中 – 人物編 #01 神崎仁

神崎仁
今年の4〜5月の1人旅では、人に会うことが重要なウエイトを占めていた。
出会った人が案内してくださった街並や風景は、すべてが想定外の刺激。「見る」ことは「受け入れる」こと。

 

1人目は神崎仁さん。同じ1983年生まれのフォトグラファー。
待ち合わせは東京都現代美術館。車椅子、そして大きなカメラが目を引き、遠目からでもすぐにわかった。(なんと、車椅子に固定されているのはマミヤの二眼レフカメラ、C220)

一緒に昼食後「フランシス・アリス展」と「桂ゆき-ある寓話」をそれぞれがゆっくりと時間をかけて堪能し、近くのお好み焼き屋に入った。時間にして4〜5時間程度だったろうか。

そのわずか数時間のあいだに、ちょっとした段差や、椅子が並ぶカフェ店内での移動、古い型のトイレ等、些細な場面で何度も「障害」に出くわす。その生活が当り前であれば、他人が思うほど不便じゃない部分もあるかもしれないけれど、その日、障害というものについて改めて考えさせられたのは事実。

ヤマハ電動車椅子の登場で、人の手を借りることなく自由に動き回れるようになった喜びは察するに余りある。(替えのバッテリーを積んでいるので、一晩中遊ぶことも可能なのだとか)僕にとって見れば、故郷の愛知を離れ、東京で一人暮らしをすること自体が尊敬に値するのだ。
 

さらに最近すごいニュースが!
なんと、彼が車椅子にカメラを固定して撮った写真シリーズ『Our Street View』で、ニコンサロン(新宿、大阪)での展示が決まっています。

2014年1月28日 – 2月3日 新宿ニコンサロンbis「Our Street View」
2014年4月24日 – 4月30日 大阪ニコンサロン「Our Street View」

あのときのお好み焼き美味しかったなー。
彼とは来年2月に福岡で開催する企画展『偏愛図鑑』でご一緒する予定。
おたのしみに!

 
 

Profile

富永 秀和のアバター 富永 秀和 Photographer

1983年福岡生まれ。グラフィックデザイナーから転身した職業フォトグラファー。2013年に中古購入した中判デジタルでその表現力の虜となる。福岡のシェアスタジオで経験を積み2022年に上京。
40歳で総合格闘技(MMA)入門。