細々と撮りつづけている背中のポートフォリオ。
被写体は若き3児の母。
背中を撮らせて欲しいとお願いすると「私タトゥー入れてるんですけど大丈夫ですか?」と聞かれたのを思い出す。
これはこの女性に限らず、必ず確認してくる項目。多くの場合タトゥーには覚悟なり決心なり、強い思いがある。撮影する外国人のダンサーも必ずと言っていいほど入れているし、正にその人物の一部であり一つの象徴でもあると思う。(タトゥーがあると温泉に入れないなんて時代錯誤もいいところだ)
しかし撮影中にそのタトゥーを見て正直ゾクッとした。
そこに彫り込まれているのは、彼女の亡くなった子どもの名前。
背筋を正す思いで美しいラインを炙り出す。
もっともっと、様々な価値観をもつ人物をフラットに記録していくことができたなら。