「完璧な正義」や「完璧な愛情」が存在しない物語が好きだ。
人間は、ある局面では鬼にもなるし、神にだってなる。
マンガ「風の谷のナウシカ」は
映画のために何度も中断し、完結までに14年もかかった力作だ。
「幸福なアマチュア」と表現されるように、お世辞にも上手いとは言えないが
しかしどうして、その魅力は群を抜いている。
(著者ご本人もマンガ家ではないので「思いきり読みにくくした」らしい)
ここで内容を詳しく語る気はないが(アニメ版とは全然違う)
彼女は、人類の希望として創られた「神」を殺した女だ。
旧世界が遺した光に対し「闇から生まれたものは闇へ返る」と言い放つ。
迷い、怯えながらも彼女は“息子”と共に自分の意志を全うする。
すべてが知れれば、彼女は悪魔として記録されるかもしれない。
腐海という浄化システム、王蟲の青い血と墓場の叫び。
後に、世界の宗教について勉強していくうち、
このマンガが考えていたよりも随分と深いものであることがわかってきた。
昨日Twitterでナウシカネタが上ったのをきっかけに
ふと思い出して、昔描いた絵を探してみました。
(どの場面かわかりますか? 実際にある小さな1コマ)
小さい頃から絵を描くのが好きで、この絵だってほんの10年前のもの。
今でもホルベインの透明水彩がパレットに入ったまま。
適当な筆を使って水で溶かせば、すぐに描きはじめられる。
その気になりさえすれば---